>小部経典
8 テーラガーター
6 六なるものの集まり
第一の章
6.1. ウルヴェーラ・カッサパ長老の詩偈
福徳あるゴータマ(ブッダ)の、諸々の神変を見て、嫉妬と思量〔おもいあがり〕によって騙されていたわたしは、それだけでは、平伏しなかった。
わたしの思惟を了知して、〔調御されるべき〕人の馭者たる方(ブッダ)は、〔わたしを〕叱咤した。そののち、わたしに、身の毛のよだつ、未曾有の、畏怖〔の念〕(回心の思い)が存した。
かつて、結髪の者として有ったわたしの、その神通は、ほんの小さなもので、わたしは、そのとき、それを捨てて、勝者(ブッダ)の教えにおいて出家した。
かつて、祭祀をすることで満足し、欲望の界域(欲界)を偏重していた者が、のちに、貪り(貪)と、怒り(瞋)と、さらに、また、迷い(痴)を完破した。
〔わたしは〕過去(前世)の居住を知る。天眼は清められた。他者の心を知る、神通ある者となり、しかして、〔わたしは〕天耳を得た。
しかして、〔まさに〕その義(目的)のために、家から家なきへと出家したところの、一切の束縛するものの滅尽という、その義(目的)は、わたしによって獲得された。ということで――
……ウルヴェーラ・カッサパ長老は……。