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8 テーラガーター

6.6. サッパダーサ長老の詩偈

わたしが出家してからのち、二十五年のあいだ、指を弾く間ばかりでさえも、心の寂静に到達しなかった。

心の一境性を得ずして、欲望〔の対象〕にたいする貪り〔の思い〕に苦悩する〔わたし〕は、〔両の〕腕を突き上げて、泣き叫びながら、精舎から出て行った。

「あるいは、刃を持ってこようか。わたしの生に、何の義(意味)があるというのだろう。まさに、学びを拒絶している、わたしのような者は、どのように、命を終えるのだろう」〔と〕。

そのとき、わたしは、剃刀を取って、寝床に近坐した。自己の血管を断つために、〔首筋へと〕完全に導かれた剃刀が、〔わたしに〕存した。

そののち、わたしに、根源“あり”のままに意“おもい”を為すこと(如理作意:固定概念なく思い考えること)が生起した。〔世俗の〕危険は明らかと成り、厭離〔の思い〕は確立した。

そののち、わたしの心は解脱した。見よ――法(事象)が見事に法(事象)たることを。三つの明知(三明:三種類の超人的な能力、宿命通・天眼通・漏尽通)は獲得され、覚者(ブッダ)の教えは為された。ということで――

 ……サッパダーサ長老は……。