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9テーリーガーター

5 五なるものの集まり

5.1.  或るどこかの長老尼の詩偈

わたしが出家してからのち、二十五年のあいだ、指を弾く間ばかりでさえも、心の寂止に到達しなかった。

心の寂静を得ずして、欲望〔の対象〕にたいする貪り〔の思い〕で〔煩悩が〕漏れ出たわたしは、〔両の〕腕を突き上げて、泣き叫びながら、精舎に入った。

彼女は、わたしにとって、信たる者として有ったが、その比丘尼のところへと、〔わたしは〕近づき行った。彼女は、わたしに、法(真理)を説示した――〔心身を構成する五つの〕範疇(五蘊)と〔十二の認識の〕場所(十二処)と〔十八の認識の〕界域(十八界)〔という諸々の法〕を。

彼女の法(教え)を聞いて、〔わたしは〕一方に近坐した。〔わたしは〕過去(前世)の居住を知る(宿命通)。天眼は清められた(天眼通)。

さらには、〔他者の〕心を探知する知恵がある(他心通)。耳の界域は清められた(天耳通)。わたしによって、神通もまた、実証された(神足通)。わたしによって、煩悩の滅尽は得られた(漏尽通)。〔これらの〕六つの神知(六神通)は実証され、覚者(ブッダ)の教えは為された。ということで――

 ……或るどこかの長老尼は……。