>小部経典
8 テーラガーター
10 十なるものの集まり
第一の章
10.1. カールダーイン長老の詩偈
〔旅立つ世尊に、長老は詩偈を唱えた〕「尊き方よ、今や、木々は赤くなり、果を求め、覆“おおい”(葉)を捨棄して、それらは、火炎のように、〔四辺を〕照らします。偉大なる勇者よ、〔今や〕諸々の味を分け合う時です。
〔花が〕咲き意が喜びとする木々、葉を捨棄して果を願う〔木々〕は、一切の方角に、遍きにわたり、咲き香ります。勇者よ、〔今や〕ここから立ち去る時です。
寒すぎることも、まさしく、ありません。また、暑すぎることもありません。尊き方よ、旅に適した、安楽なる季節です。サーキヤ〔族〕の者たちは、そして、コーリヤ〔族〕の者たちは、ローヒニー〔川〕の西側へと超え渡る、あなた〔の姿〕を見よ。
願望あることから、〔耕作者は〕田畑を耕します。願望あることから、種子は蒔かれます。願望あることから、財を運ぶ商人たちは、海を行きます。〔まさに〕その、願望あることから、〔わたしが〕依って立つ、わたしの、その願望は、栄えあれ。
まさしく、しかして、繰り返し、種子を蒔きます。天の王は、繰り返し、雨を降らせます。耕作者たちは、繰り返し、田畑を耕します。穀物は、繰り返し、国土へと近づき行きます(国土に収穫をもたらす)。
〔食を〕乞う者たちは、繰り返し、〔村や町を〕歩みます。〔在家の〕施主たちは、繰り返し、〔食べ物や飲み物を〕施します。〔在家の〕施主たちは、繰り返し、〔食べ物や飲み物を〕施して、繰り返し、天上へ、〔善き〕境位へと、近づき行きます。
その家に、広き知慧ある者が生まれるなら、〔生まれた〕勇者は、まさに、七代〔の父母〕を清めます。サッカ(釈迦)〔族〕の者(ブッダの父、浄飯王)よ、わたしは、〔あなたを〕『天のなかの天である』と思います。なぜなら、あなたによって、真の名ある方が、牟尼(ブッダ)が、生まれたからです。
偉大なる聖賢(ブッダ)の父は、スッドーダナという名の者です。また、覚者(ブッダ)の母は、マーヤーという名の者です。彼女は、菩薩(ブッダ)を子宮で守って、〔自らの〕身体の破壊ののち、三十三〔天〕において、喜び楽しみます。
彼女は、ゴータミー(マーヤー)は、命を終え、ここから死に行き、天の諸々の欲望〔の対象〕を保有する者と成ったのです。彼女は、彼ら、天の衆たちに取り囲まれ、五つの欲望の対象(五妙欲:色・声・香・味・触)によって、喜び楽しみます。
〔わたしは〕覚者の子(仏弟子)として存しています――〔誰も〕成し遂げられないことを成し遂げる方の〔子として〕、比類なきアンギーラサ(古代の神人、ブッダの尊称の一つ)にして如なる方の〔子として〕。サッカ〔族〕の方(ブッダ)よ、あなたは、わたしの父の父として存しています。ゴータマ(ブッダ)よ、法(教え)によって、〔あなたは〕わたしの祖父として存しています」〔と〕。ということで――
……カールダーイン長老は……。