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9テーリーガーター
13.4. スンダリー長老尼の詩偈
〔婆羅門が尋ねた〕「尊き方よ、かつて、あなたは、亡者となった子たちを喰いつつ(子を亡くす身となり)、昼も、夜も、あなたは、極度に悩み苦しみました。
婆羅門尼よ、ヴァーセッティー(人名)よ、その〔あなた〕が、今日、七子全てを喰っていながら(子を亡くしたにもかかわらず)、どのような理由によって、〔かつてのように〕激しく悩み苦しまないのですか」〔と〕。
〔長老尼は答えた〕「婆羅門よ、数百の子たちが、さらには、数百の親族の群れが、多くの者たちが、過去の時において喰われました(命を落とした)――わたしにとって、さらには、あなたにとって。
〔まさに〕その、わたしは、生、および、死からの出離を知って、〔もはや〕憂い悲しまず、泣き叫ばないのです。そして、また、悩み苦しまないのです」〔と〕。
〔婆羅門が尋ねた〕「ヴァーセッティーよ、このような、まさに、未曾有の言葉を、〔あなたは〕語ります。あなたは、誰の法(教え)を了知して、このような言葉を語るのですか」〔と〕。
〔長老尼は答えた〕「婆羅門よ、正覚者(ブッダ)たるこの方は、ミティラー(地名)の城市に向かい、一切の苦しみを捨棄するために、生ある者たちに、法(教え)を説示しました。
婆羅門よ、阿羅漢(人格完成者)たる彼の、依り所なき法(教え)を聞いて、そこにおいて、〔わたしは〕正なる法(真理)の識知者となり、子〔の死〕の憂い悲しみを除き去ったのです」〔と〕。
〔婆羅門が言った〕「〔まさに〕その、わたしもまた、ミティラー(地名)の城市に向かい、行くでありましょう。まさしく、また、わたしをも、世尊である彼は、一切の苦しみから解き放つでありましょう」〔と〕。
婆羅門は、依り所なき解脱者たる覚者(ブッダ)を見た。苦しみの彼岸に至る牟尼は、彼は、その〔婆羅門〕に、法(教え)を説示した。
〔すなわち〕苦しみを、苦しみの生起を、しかして、苦しみの超越を、さらには、苦しみの寂止に至る聖なる八つの支分ある道を。
そこにおいて、〔婆羅門は〕正なる法(真理)の識知者となり、出家を選んだ。スジャータ(人名)は、三夜ののちに、三つの明知を体得した。
〔婆羅門が言った〕「来たれ、馭者よ、〔妻のもとに〕行け。この車を〔妻に〕与えよ。無病なる〔妻の〕婆羅門尼に、『今や、婆羅門は出家した。スジャータは、三夜ののちに、三つの明知を体得した』〔と〕説くのだ」〔と〕。
しかして、そののち、馭者は、車を取って、さらには、また、千〔金〕を〔取って〕、無病なる〔妻の〕婆羅門尼に、「今や、婆羅門は出家した。スジャータは、三夜ののちに、三つの明知を体得した」〔と〕言った。
〔妻が言った〕「馭者よ、三つの明知ある婆羅門のことを聞いて、しかして、わたしは、この馬車を、さらには、また、千〔金〕を、〔水の〕満ちた鉢を、おまえに与えます」〔と〕。
〔馭者は答えた〕「婆羅門尼よ、馬車は、さらには、また、千〔金〕は、あなたにとってこそ、有れ。わたしもまた、優れた知慧ある方(ブッダ)の現前で、出家するでありましょう」〔と〕。
〔妻が言った〕「象と牛と馬、そして、宝珠と耳飾りを〔捨棄して〕、さらには、この、富み栄える、家の資産を捨棄して、あなたの父は、出家者として〔世にあります〕。スンダリー(人名)よ、諸々の財物を受けなさい。あなたは、家における相続者です」〔と〕。
〔娘のスンダリーは答えた〕「象と牛と馬、そして、宝珠と耳飾りを〔捨棄して〕、さらには、この、喜ばしき、家の資産を捨棄して、子〔の死〕の憂い悲しみに苦悩する、わたしの父は、出家者として〔世にあります〕。兄弟〔の死〕の憂い悲しみに苦悩する、わたしもまた、出家するでありましょう」〔と〕。
〔長老尼は言った〕「スンダリーよ、あなたがそれを望み求めるなら、あなたのその思惟は、〔万事〕うまくゆけ。〔戸口に〕立って受ける〔行乞の〕食、残飯と、糞掃衣(ぼろ布)の衣料と――これら〔の困苦〕を〔常に〕征服している者は、他世において、煩悩なき者となります」〔と〕。
〔長老尼に、スンダリーが言った〕「貴婦(大姉)よ、わたしが、学びつつあると、天眼は清められました。〔わたしは〕知ります――かつて、わたしが住した所である、過去(前世)の居住を。
巧みな智ある方よ、長老尼の僧団にとって美しく輝く方よ、あなたに依拠して、三つの明知は獲得され、覚者(ブッダ)の教えは為されました。
貴婦よ、わたしを許してください。〔わたしは〕サーヴァッティ(地名)に行くことを求めます。〔わたしは〕最勝の覚者(ブッダ)の現前で、獅子吼を吼え叫ぶでありましょう」〔と〕。
〔長老尼は答えた〕「スンダリーよ、教師(ブッダ)に相見“まみ”えよ。金色〔の輝き〕ある方に、黄金の皮膚ある方に、調御されざる者たちの調御者たる方に、何ものも恐れない正覚者に」〔と〕。
〔世尊に、スンダリーが言った〕「スンダリーがやってくるのを御覧ください。解脱し依り所なき者を、貪り〔の思い〕を離れ束縛を離れた者を、為すべきことを為した煩悩なき者を。
〔わたしは〕バーラーナシー(地名)を出て、あなたの現前にやってきた者です。偉大なる勇者よ、弟子のスンダリーは、あなたの〔両の〕足を敬拝します。
〔真の〕婆羅門よ、あなたは、覚者(ブッダ)です。あなたは、教師です。〔わたしは〕あなたの娘として存しています。〔あなたの〕口から生まれた正嫡です。為すべきことを為した煩悩なき者です」〔と〕。
〔世尊は答えた〕「幸いなる者よ、〔まさに〕その、あなたにとって、善き訪問と〔成れ〕。そののち、あなたにとって、悪しき訪問ならざるものと〔成れ〕。まさに、このように、調御者たちはやってきます――教師の〔両の〕足を敬拝する者たちとして、貪り〔の思い〕を離れ、束縛を離れた者たちとして、為すべきことを為した煩悩なき者たちとして」〔と〕。ということで――
……スンダリー長老尼は……。