>小部経典

9テーリーガーター

5.12.  チャンダー長老尼の詩偈

かつて、わたしは、悪しき境遇の者として、かつまた、寡婦として、子なき者として、〔世に〕存した。朋友たちや親族たちとは別れ別れとなり、〔十分な〕食や〔身に付ける〕ぼろ布には到達しなかった。

しかして、鉢と棒を掴んで、家から家へと行乞しながら、さらには、寒さに〔悩まされ〕暑さに焼かれながら、わたしは、七年のあいだ、〔世を〕歩んだ。

食べ物と飲み物を得る比丘尼をふたたび見て、〔わたしは〕近しく赴いて言った。「出家を、〔家から〕家なきへと」〔と〕。

しかして、彼女は、パターチャーラー(人名)は、慈しみ〔の思い〕によって、わたしを〔僧団において〕出家させた。そののち、わたしを教え諭して、最高の義(勝義:涅槃)へと駆り立てた。

彼女の言葉を聞いて、わたしは、〔その〕教示を為した。貴婦(大姉)の教諭は、無駄ならざるもの。〔わたしは〕三つの明知(三明:三種類の超人的な能力、宿命通・天眼通・漏尽通)ある者として、煩悩なき者として、〔世に〕存している。ということで――

 ……チャンダー長老尼は……。

 五なるものの集まりは、〔以上で〕終了した。